研究課題
今年度は、生体の運動計画における最適性とその神経アルゴリズムに関して、主に以下の2点について考察を行った。1.歩行時の遊脚運動の軌道計画がどのように行われているかを検討するため、消費エネルギーを最小にする遊脚軌道を計算した。最適軌道の計算においては、脚を2リンクの剛体でモデル化した。その結果は、速度とともに足をあげる最適な高さは高くなるといった特徴を示し、実際の遊脚運動の特徴と多くの点で一致した。このことから、遊脚運動の軌道計画は消費エネルギー最小化基準に基づいて行われていると考えられる。ただし定量的値において最適軌道と実際の軌道には違いがあり、今後はより現実的な脚の力学モデルや消費エネルギーの見積もり方法を検討することにより、この点を考察していく予定である。2.歩行等の基本的な運動の制御には、脊髄等に存在する中枢パターン発生器とよばれる神経中枢が関与していることが知られている。このような下位中枢が、消費エネルギー等の評価値をもとに最適な歩行パターンを学習するメカニズムとして、小脳などの高次中枢と中枢パターン発生器よる階層的な運動学習制御モデルを提案し、一次元ホッピングロボットの制御シミュレーションでその有効性を確認した。今後は多自由度をもつシステムの学習制御の可能性を検証すると同時に、運動学習モデルとしての妥当性を神経生理学的知見から検証していくことが今後の課題である。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (6件)
日本ロボット学会誌 23・1
ページ: 17-22
Proc. of 10^<th> Int.Symp. on Artificial life and Robotics (CD-ROM)
Proc. of IEEE Systems, Man and Cybernetics
ページ: 784-790
第19回生体・生理工学シンポジウム論文集
電子情報通信学会技術研究報告 NC2004-36
ページ: 47-52
電子情報通信学会技術研究報告 NC2004-06
ページ: 49-54