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2004 年度 実績報告書

多変量解析によるマウス海馬GABA作動性ニューロンの包括的な分類の確立

研究課題

研究課題/領域番号 15700275
研究機関九州大学

研究代表者

神野 尚三  九州大学, 大学院・医学研究科, 助手 (10325524)

キーワード海馬 / 皮質 / 線条体 / 皮質線条体路 / パルブアルブミン / GABA作動性ニューロン / 海馬台 / K channel
研究概要

本年度は前年度に引き続き、マウス海馬、大脳皮質の形態学的、神経化学的性質の研究を進めた。
1)逆行性、順行性のトレーサーに免疫組織化学を組み合わせて、マウスの皮質線条体路の解析を行った。まず、逆行性のトレーサーであるFluorogoldを線条体に注入し、カルシウム結合蛋白であるParvalbuminが、線条体に投射している皮質ニューロンの一部に発現していることを明らかにした。これらのParvalbumin陽性の皮質投射ニューロンは、主にretrosplenial cortexとsomatosensory cortexのLayer Vに分布していた。Parvalbuminの染色性は、投射ニューロンの方が、非投射ニューロンよりも顕著に弱かった。Fluorogoldで逆行性に標識されたParvalbumin陽性投射ニューロンの一部は、明確なapical dendriteを備えていることから、錐体ニューロンであることが示唆された。次に、免疫蛍光多重染色を用いて、逆行性に標識された線条体に投射する皮質ニューロンの神経化学的性質の解析を行った。これにより、Parvalbumin陽性皮質投射ニューロンの多くはglutamic acid decarboxylase (GAD)陰性であるが、一部はGAD陽性であることを明らかにした。さらに、順行性のトレーサーであるPHA-Lをsomatosensory cortexに注入し、線条体におけるParvalbumin陽性軸索終末の解析を行った。多くのParvalbumin陽性軸索終末がvesicular glutamate transporter-1陽性であり、グルタミン酸作動性であると考えられたが、少数のGAD陽性の軸索終末が認められた。これらにより、従来はグルタミン酸作動性のみと考えられてきた皮質線条体路に、GABA作動性ニューロンが含まれており、それらはParvalbumin陽性ことを初めて明らかにした。
2)海馬や海馬台における電位依存性K channel (Kv4.2)のsubcellular localizationを解析し、シナプス入力に選択性のclusteringが認められることを発見した。この解析は現在も継続中である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Parvalbumin is expressed in glutamatergic and GABAergic corticostriatal pathway in mice2004

    • 著者名/発表者名
      Jinno S, Kosaka T
    • 雑誌名

      Journal of Comparative Neurology 477

      ページ: 188-201

  • [雑誌論文] Developmental switch from GABA to glycine release in single central synaptic terminals2004

    • 著者名/発表者名
      Nabekura J, Katsurabayashi S, Jinno S, Ishibashi H
    • 雑誌名

      Nature Neuroscience 7

      ページ: 17-23

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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