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2003 年度 実績報告書

ファゴサイトーシス時に働くシグナルカスケードのリアルタイム解析

研究課題

研究課題/領域番号 15700287
研究機関神戸大学

研究代表者

上山 健彦  神戸大学, バイオシグナル研究センター, 助手 (80346254)

キーワードファゴサイトーシス / 活性酸素 / Protein kinase C / Diacylglycerol kinase / Fcγ receptor / microglia / 食胞
研究概要

Fcγ receptorを介したファゴサイトーシス時におけるシグナルカスケードの解明を、PKC分子種、Diacylglycerol kinase (DGK)分子種にGFPを標織しmicrogliaに発現させ、IgGで標識したビーズを貪食させ、共焦点コンフォーカル顕微鏡下でリアルタイム観察することにより行った。
1,PKC分子種の中でβIPKCとεPKCのみが、食胞膜に限局して一時的に集積すること、この2種の集積様式が異なっていることをつきとめた。さらに、βIPKCの集積機序の詳細な解明に努め、βIPKCは食胞膜で限局的に産生されるdiacylglycerolとオシレーションを伴う細胞内のカルシウムの上昇により、オシレーションを伴って食胞膜に限局的に集積することがわかった。
2,βIPKCのファゴサイトーシス時における機能を解明するため、カルシウム依存性PKCの選択的阻害剤を用いて、Fcγ receptor刺激時の活性酸素産生を測定した。活性酸素の産生を(1)細胞外への活性酸素産生、(2)食胞内への活性酸素産生に分けて考えると、(1)はβIPKCに完全に依存したが、(2)は部分的に依存していた。
3,さらにPKCの機能を調節していると考えられるDGKのなかでカルシウム依存性のある分子種に注目したところ、DGKβのみがファゴサイトーシス時に集積した。活性酸素の産生は、DGK選択的阻害剤で処置すると、特に細胞外への活性酸素産生が著名に増加した。さらにこの阻害剤処置時のβIPKCの集積は著名に増強した。以上のことから、Fcγ receptorを介したファゴサイトーシスにおいて、細胞外への活性酸素の産生は、βIPKCにより制御されており、その調節をDGKβが行っていることがわかった。
4,さらにβIPKCの基質であるp47^<phox>も食胞膜に限局的に集積することをつきとめた。以上のことから、Fcγ receptorを介したファゴサイトーシス時における活性酸素の産生は、食胞で限局するように厳密に制御されていることが推測された。そこで電子顕微鏡を用いてFcγ receptorを介したファゴサイトーシス時における活性酸素の産生部位を検索したところ、食胞に限局していた。
以上の成果は、現在投稿中である。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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