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2005 年度 実績報告書

杆体経路における視覚情報処理の研究-A2アマクリン細胞の機能的役割の解析-

研究課題

研究課題/領域番号 15700305
研究機関埼玉医科大学

研究代表者

田丸 文信  埼玉医科大学, 医学部, 助手 (70337541)

キーワード網膜 / アマクリン細胞 / Naチャネル / 視覚 / 神経回路網 / 杵体経路 / パッチクランプ法 / 杆体入力型双極細胞
研究概要

杆体視細胞からの光情報は、A2(AII)アマクリン細胞を介することで、杆体双極細胞から錐体双極細胞へ伝えられる。また、AIIアマクリン細胞は振幅の小さな活動電位を発生することが報告されている。本年度は、AIIアマクリン細胞の活動電位の役割を明らかにすることを目標として研究を遂行し、以下のことが明らかになった。
AIIアマクリン細胞から電位依存性Ca電流を記録したところ、閾値は-55mV、ピーク電流を示す電位は-20mVであった。一方、AIIアマクリン細胞の活動電位の閾値は平均で-51mV、振幅は21mVであった。これらの結果から、AIIアマクリン細胞で活動電位が発生することで、緩電位のみの時よりも多くのCaチャネルを活性化させることができると考えられる。
杆体双極細胞の樹状突起に発現しているmGluR6のアゴニストであるL-AP-4(グルタミン酸の類似物質)を外網状層に局所投与したところ、AIIアマクリン細胞のEPSCは抑制され、活動電位の頻度は減少した。このことから、杵体視細胞から放出されるグルタミン酸濃度が高いほど(光強度が弱いほど)AIIアマクリン細胞の活動電位の頻度は減少し、グルタミン酸濃度が低いほど(光強度が強いほど)活動電位の頻度が増加することが予想される。
以上のことから、グリシン作動性であるAIIアマクリン細胞は、活動電位の頻度に依存してOFF型錐体双極細胞へのグリシン放出量をコントロールしていることが考えられる。つまり、光強度が強いほどAIIアマクリン細胞の活動電位の頻度も多くなり、その結果、より多くのCaイオンが流入し、それによってAIIアマクリン細胞から多くのグリシンが放出されることで、OFF型錐体双極細胞を強く抑制することが考えられる。今回の研究から、AIIアマクリン細胞の活動電位は、OFF経路への光情報伝達に寄与しているということが示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Mechanisms of spike generation and localization of voltage-gated Na^+ channels in retinal AII amacrine cells2005

    • 著者名/発表者名
      Fuminobu Tamalu, Shu-Ichi Watanabe
    • 雑誌名

      The Japanese Journal of Physiology 55

      ページ: S169

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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