・カエルαRyR、βRyRアイソフォームの発現ベクターの作製 αRyR、βRyRそれぞれ7個と6個の断片としてクローニングされてきたcDNAを制限酵素サイトで連結し全長のクローンを作製した。これを、ウィルスベクター作成用の発現ベクターに組み込んだ。 ・遺伝子導入システムの確立 遺伝子導入にはHerpes simplex virus (HSV)を用いた。HSV由来のcosmidとRyRのcDNAを挿入した発現ベクターをVERO由来細胞にcotransfectionし、RyR cDNAを持つウィルス粒子を作製した。 ・1B5 myogenic cell 1B5 cellは共同研究者のDr. Paul D Allenの元へ行き分与を受け扱い方を習得してきた。培養条件を20% FCS、5% CO_2から分化用条件である0.3% horse serum、20% CO_2にすると5〜7dayで細胞融合を起こし、多核のmyotube様の細胞に分化した。この細胞に上で作製したウィルスを感染させたところ、細胞染色やイムノブロットの方法でαRyR、βRyRの発現が確認された。 ・細胞内Ca^<2+>イメージング αRyR、βRyRを発現させた1B5にCICRの促進剤として20mM Caffeineを適用しところ細胞内Ca^<2+>の上昇が確認された。また、αRyRを発現させた1B5に脱分極刺激として80mMK^+を適用したところ一過性の細胞内Ca^<2+>濃度の上昇が見られた。このことから、αRyRとβRyRを筋細胞に機能的に発現させることに成功し、また、その機能を生きた細胞内でアッセイする系が確立できた。
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