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2004 年度 実績報告書

生体内環境に想起された生分解性ヒドロゲルの創製と生理活性タンパク質の放出制御

研究課題

研究課題/領域番号 15700324
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

岩崎 泰彦  東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教授 (90280990)

キーワードポリホスフェート / 生分解性 / ヒドロゲル / リン脂質ポリマー / 生体適合性
研究概要

前年度に合成法を確立したヒドロゲルの物性、生体適合性の評価ならびにタンパク質の放出特性について調べた。
ホスフェート結合を有する高分子架橋剤(PIOP)と2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)をラジカル共重合することにより含水可能なゲルを得ることができた。このゲルの含水率はPIOPの組成が高くなるにつれ低下した。また、PIOPの組成によりゲルの機械的強度も変化した。ヒドロゲルの非酵素的加水分解速度は塩基性(pH11.0)環境下で大きく、酸性(pH4.0)および中性(pH7.4)では小さくなった。非酵素的加水分解は主鎖のポリホスフェートが分解して起こることが、^1H-NMR等から明らかとなり、分解生成物には低分子量リン酸化合物および、poly(MPC)が含まれることがわかった。これらの分解生成物をマウス繊維芽細胞の培養系に添加しても細胞毒性は、認められなかった。また、ラット皮下にヒドロゲルを埋入し周辺組織の炎症反応を調べたところ、ヒドロゲル周辺の皮下組織は正常状態と同様であり、ゲルとの接触に伴う反応は認められなかった。
凍結乾燥したゲルをトリプシンの溶解している緩衝溶液に浸し、膨潤させた。ゲルを簡易洗浄した後、緩衝溶液に浸し、ゲルから溶離したトリプシンの定量と活性評価を行った。ゲルより放出されたトリプシンの活性は、ネイティブのものと変化なく、ゲルとの接触に伴う活性の低下は認められなかった。また、ゲル内に取り込まれたトリプシンは一日でほぼ全量放出された。タンパク質の放出時間を制御するためにポリホスフェートの疎水性を変化させたゲルの作成も検討している。
以上の結果から重合性基をもつポリホスフェートで架橋したMPCヒドロゲルは生体適合性にも優れており、今後医学や薬学で利用可能な新しいヒドロゲルとして期待できる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Novel biodegradable polyphosphate cross-Linker for making biocompatible hydrogel2004

    • 著者名/発表者名
      Y.Iwasaki, C.Nakagawa, M.Ohtomi, K.Ishihara, K.Akiyoshi
    • 雑誌名

      Biomacromolecules 5

      ページ: 1110-1115

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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