研究概要 |
本年度は,撮像システムである低コヒーレンス干渉計による光コヒーレンストモグラフィ(OCT,optical coherence tomography)を改良した.近年,OCT技術は,高速かつ高感度にデータ取得を行っている.そこで本研究では,高速な走査が可能であるポリゴンスキャナを用いたOCTシステムを構築した.昨年度は,ポリゴンスキャナを用いた光軸方向走査では、ビート周波数が走査位置で非線形的に変化し、高速時に非線形性が増大してしまった.そこでポリゴンミラーと回折格子を用いて,線形なスキャンを構築した.スーパールミネッセントダイオード(中心波長1310nm,スペクトル半値全幅30nm)を光源とするマイケルソン干渉計を構築し,参照光はポリゴンミラー(18面,面間34.64mm)と回折格子(12.7x12.7mm,格子周波数600本/mm)で反射され干渉計へと戻される.ここで回折格子は,入射角と1次回折角が同じなるリトロー配置にセットする.ポリゴンスキャナの回転数を38000rpmに設定したとき,11.4kHzで光軸方向スキャンが可能である.本システムでは4.6mmの範囲で線形にスキャンが行われていることが確認できた.またビデオレート(30フレーム/秒)でOCT画像を測定する場合,一画像あたりの光軸方向スキャン数は380である.
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