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2003 年度 実績報告書

接近対象の視覚認知における速度弁別検査に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15700353
研究機関秋田県立大学

研究代表者

寺田 裕樹  秋田県立大学, システム科学技術学部, 助手 (40360002)

キーワード交通事故 / 接近速度 / 高齢者 / 両眼立体視 / 加齢
研究概要

本研究の目的はヒトの接近速度弁別能力という知覚特性を定量化できるシステムを構築し,様々な道路環境で検査することにより歩行時に自主的に事故を防止できる交通環境の設計指針を構築することである.以前我々が開発したシステムでは,車両にみたてた光点(以下,ターゲット)を実空間に呈示させ,接近速度弁別能力を検査した.その結果,成人と比べその能力が低下している高齢者がいること,高齢者では単眼視と両眼視で正答率に差がないことを明らかにした.この理由として我々は,高齢者の両眼性の奥行知覚能力が低下していると推測した.そのため,実体鏡の原理を用いて両眼性の奥行手がかりで奥行知覚される接近対象を仮想空間に呈示し,接近速度弁別能力を検査する小規模な検査システムを構築した.交通事故防止という観点から,実際の交通環境を再現したかったが基礎データが足りなかった.
今年度は視覚刺激として単純な刺激を用い,基礎データの収集として成人と高齢者を対象に様々な条件で接近運動させた.実体鏡で呈示した視覚刺激を両眼立体視として認識できた確率を融合率として調べた.その結果,成人よりも高齢者の方が高い融合率となることがわかった.また,融合率は接近対象の移動距離によって差があり,さらに高齢者では接近対象の大きさによっても融合率に差があることがわかった.また,両眼立体視できる接近対象の条件で接近速度弁別能力を調べ,加齢の影響を検討した.その結果,高齢者の中には成人やそれ以上に接近速度を弁別できる高齢者もおり,個人差が顕著であった.また,成人に比べて高齢者の能力は低下していたものの,統計的な差はないことを明らかにした.
来年度は大型スクリーンを用いて実際の交通環境に近づけた検査を行う予定である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Yuki Terata, Kazuki Saruta, Kazutoki Takeda, Kazutaka Mitobe, Noboru Yoshimura: "Evaluation of Human's Discrimination Ability of Approach Velocity and Development of Inspection System in Virtual Space-Effect of Aging on Fusion with Stereopsis of Static and Moving Stimulus-"The 7th World Multiconference on Systemics, Cybernetics and Informatics.. Vol.8. 300-303 (2003)

  • [文献書誌] 寺田裕樹, 水戸部一孝, 吉村昇: "接近速度弁別能力の加齢による影響及びその検査システムの開発"電子情報通信学会論文誌 A. Vol.J87-A No.2. 296-302 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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