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2005 年度 実績報告書

接近対象の視覚認知における速度弁別検査に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15700353
研究機関秋田県立大学

研究代表者

寺田 裕樹  秋田県立大学, システム科学技術学部, 助手 (40360002)

キーワード交通事故 / 接近速度 / 高齢者 / 加齢 / 両眼立体視
研究概要

我々は以前,視覚刺激を左右眼独立かつ同時に呈示する装置(以下,実体鏡)で奥行き知覚される光点(以下ターゲット)を仮想空間に呈示し,接近速度弁別能力を検査するシステムを構築した.本研究では,両眼性の奥行き情報で実現されたターゲットの接近速度弁別に対する加齢の影響を明らかにするため,成人健常者と高齢健常者を対象に速度弁別能力を調べ,検討した.両眼性の奥行き情報を変え,接近速度の異なる2種類のターゲットをランダムに奥から手前に接近知覚させ,どちらが速いと感じたかをスイッチで被験者に応答してもらった.その結果,高齢健常者の中には成人健常者やそれ以上に接近速度を弁別できる高齢者もいたが,極端に能力が低下した高齢健常者を発見できた.また,高齢健常者は個人差が顕著であった.さらに,成人健常者と高齢健常者の結果に統計的な有意差が生じたことから,接近速度弁別能力は加齢に伴い低下することを明らかにした.両眼性の奥行き知覚特性に関する報告は多いが,高齢者を対象とした報告はほとんどない.本研究で報告した結果は,超高齢化社会を迎えるわが国で高齢者が社会に出て人工現実感を楽しむ上で高齢者のための設計方法の開発などに有用な知見となると考えている.
本システムを用いて様々な視覚刺激を作り出し,サイバーワールドによる映像を配信すれば,遠隔地においても容易に映像を手に入れることができるため遠隔地においても検査が可能となるだろう.一方で,より自然な人工現実感を作り出すには観察者個々の立体視機能に応じた適正条件の調整可能な3次元空間表示装置が必要である.しかし,このためには3次元空間情報と立体視機能の整合性,視機能変動などを高精度に検査するとともに,年齢による心理的な視空間効果(例えば,高齢者は接近速度を過大評価または過少評価するのか)を検査する必要があるので,今後検討する予定である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 両眼立体視における接近速度弁別能力の加齢による影響2005

    • 著者名/発表者名
      寺田裕樹, 水戸部一孝, 猿田和樹, 武田和時, 吉村昇
    • 雑誌名

      2005年電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集 A-18-7

      ページ: 260

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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