研究概要 |
関心領域の分割化によるRF信号の包絡振幅のヒストグラム解析法に関するこれまでの研究結果を踏まえて、そのパラメータである信号雑音比を画像化した、新しい肝実質不均一性表示法を開発した。この新しい表示法は、検者の経験に左右されにくい客観的な肝実質部の不均一性の評価が可能であり、一般臨床および医学教育において有用であると考えられた。その成果は、日本超音波医学会英文誌Journal of Medical Ultrasonicsに掲載された。 我々は減衰係数の新しい計測法を開発し、びまん性肝疾患への応用を既に行っているがが(Fujii Y, et al.:A new method for attenuation coefficient measurement in the liver-Comparison with the spectral shift central frequency method. Journal of Ultrasound in Medicine 2002;21:783-788)、本法をびまん性甲状腺疾患への応用を行った。甲状腺は肝臓と比較してそのサイズが小さいため取得可能なRF信号が少なく、計測値のばらつきがより大きくなることが予想されたが、この研究結果から本法は、従来の手法と比較してよりばらつきの少ない精度の高い手法であることが示唆された。この成果は、アメリカ超音波医学会雑誌Journal of Ultrasound in Medicineに掲載された。 RF信号解析システムのバージョンアップおよび記録媒体の準備が整い、現在、びまん性肝疾患における非線形パラメータに関する研究を行っている。
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