研究概要 |
低侵襲医療機器と生体組織との摩擦制御を目的として,変動磁場による振動を利用した摩擦低減のモデル実験を昨年度に引き続き試みた.永久磁石による回転磁場を用いることで物体に機械的振動を与え,接触する二物体の動摩擦を低減させる実験において,コンパクトタイプの変動磁場発生器を製作し,生体内での挿入抵抗を計測した.その結果,生体内においても振動の効果により,無振動時に比較して二面間のみかけの摩擦を低減させ得ることが確認された.また,表面改質による摩擦のコントロールを試みた結果,摩擦を変化させることは可能であるが,表面物性の経時安定性を確保する必要性がある事が分かった, また,物体表面の位置を非接触で計測する必要性が出たことから,磁場センサによる体内での医用機器の位置計測技術の開発を行った.本システムは,体内医用機器先端部に搭載した永久磁石の位置・姿勢を,複数個の磁場センサにより検出するシステムである.センサの感度を向上させるためのアルゴリズムの改良,および,計測システムの改変を行った結果,計測領域内での位置の最大誤差を2mm以下にする事ができた.また,センサ配置の最適化に関する指針を得る事ができた.
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