• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2004 年度 実績報告書

視覚障害者の音環境把握に基づいた音環境デザインの方法論についての検討

研究課題

研究課題/領域番号 15700362
研究機関福島大学

研究代表者

永幡 幸司  福島大学, 共生システム理工学類, 助教授 (50312765)

キーワード音環境 / バリアフリーデザイン / 視覚障害者 / 必要性評価 / 政治 / 力関係の問題 / サイン音
研究概要

視覚障害者を対象としたインタビュー調査より、現状の音環境デザインの問題点、特に、視覚障害者のためという名目で設置された音の問題点を類型化したところ、次の6種類に分類されることが明らかとなった。(1)音が小さすぎるため聞こえない、(2)音が反響しすぎるため音の定位が定まらない、(3)近くに似た音が存在しているためどれが目的の音なのか判断できない、(4)不適切な放送内容である、(5)不適切な場所やタイミングで音が鳴る、(6)設置された音についての情報提供の不足のため、設置された音が何を意味するものであるのかわからない。
また、視覚障害者が考える、役に立たない、もしくは、使いづらい視覚障害者のための音が世の中に設置され続ける理由は、次の3種類に分類されることが明らかとなった。(A)必要性評価の不備、(B)当事者の技術についての知識不足、(C)政治/力関係の問題(当事者/設置者間の関係性の問題、及び、当事者間内の関係性の問題)。
このように、現状の視覚障害者を取り巻く音環境デザインの問題は、単に音響学的(技術的)な問題であるのではなく、社会的な問題をも孕んでいる。それゆえ、デザインの際には単に技術的な問題のみを考慮するのではなく、社会的な問題まで考慮する必要がある。
さらに、上述の現状の音環境デザインの問題点のうち、(1)音が小さすぎるため聞こえない、という問題について、視覚障害者を対象とした心理実験、印象評価実験を進行中であり、視覚障害者が考える適切なサイン音の音量と環境音との関係性について調査を進めている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Why are Inappropriate Barrier-free Acoustic Designs for Visually Impaired Persons Provided?2005

    • 著者名/発表者名
      Koji Nagahata
    • 雑誌名

      Journal of Physiological Anthropology and Applied Human Science 24(1)

      ページ: 45-49

  • [雑誌論文] 音による案内に視覚障害者が望む音量を測定するための基礎的検討2005

    • 著者名/発表者名
      山内勝也, 永幡幸司, 上田麻理, 岩宮眞一郎
    • 雑誌名

      日本音響学会春季研究発表会講演論文集

      ページ: 679-680

  • [雑誌論文] 視覚障害者には役立たない視覚障害者のための音によるバリアフリーデザイン2004

    • 著者名/発表者名
      永幡幸司
    • 雑誌名

      日本騒音制御工学会研究発表会講演論文集

      ページ: 77-80

  • [雑誌論文] Ineffective "Barrier-free Acoustic Design" for Visually Impaired Persons2004

    • 著者名/発表者名
      Koji Nagahata
    • 雑誌名

      Proceedings of inter-noise 2004 (CD-ROM)

      ページ: 234

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi