研究概要 |
新生児が示す自発的運動の時間的,空間的,および筋電図学的特性と,ハイリスク新生児の発達的予後の関係を調査することを通して,発達予後予測の客観的指標を検討するための基礎資料を得ることを目的に今回代について研究を進めてきた. 平成15年度は,今課題に関連する先行研究の収集,実験に必要な機材の整備,実験機材の調整,および予備的な実験(機器の信頼性の確認など)を行った. 先行研究においては,新生児の自発運動を関節角度の変化,四肢の運動速度,運動範囲,加速度などの観点から定量tけいかいせきを行い,ハイリスク新生児と健常新生児の間に,それぞれどのような特徴の相違があるのかを明らかに使用としているものが多かった.いずれの先行研究も,自発運動の定量的解析結果にハイリスク群と健常児群間で,統計学的に有意な差を認めることが難しかったと報告していた.健常新生児の四肢自発運動は,ハイリスク新生児や神経学的異常を伴う新生児に比べ,バリエーションが大きいことが知られているおり,運動様式の相違を検討する必要があることが分かった. また,健常幼児,及び乳児を用いて,画像解析システムの計測結果の信頼性や表面筋電図測定の方法について検討した.画像解析については,反射シールを用いて,赤外線カメラで計測することにより,新生児にとって最小限のストレスで計測可能であることが確認できた.また,表面筋電図については,直径5mmの誘発電位用の電極を用いることで,筋電図を測定することができた.クロストークやノイズの軽減が今後の改題となった.
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