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2003 年度 実績報告書

加齢による姿勢変化に対する運動療法の考案とその効果

研究課題

研究課題/領域番号 15700370
研究機関北里大学

研究代表者

佐藤 春彦  北里大学, 医療衛生学部, 講師 (30274062)

キーワード高齢者 / バランス評価 / 転倒予防 / 重心動揺 / 生体力学
研究概要

動く重心動揺計を設計し、これを用いて得られるバランス評価変数の意義と信頼性を検証した。設計した重心動揺計は2本のレール上に設置されており、被験者が体幹を前後に屈伸するなど重心の移動を伴う運動を起こすと、これに合わせて滑らかに動くような仕組みになっている。この新しい重心動揺測定の意義と信頼性を確認するため、次のような実験を行った。
対象は健常成人7名(21歳から37歳まで、平均年齢27.3±6.0歳)で、被験者にはバランス能力の指標とされる立位における重心の前後移動を、動く重心動揺計上で行わせた。この時の最大重心移動幅について、試行問の再現性を重相関係数で確認した。また、同じ課題を固定した重心動揺計の上でも行わせた。さらに測定の様子をビデオで撮影し、重心動揺計が動く場合と固定した場合で、関節の動きに差があるかを検討した。
計測の結果、最大重心移動幅は重心動揺計が動く場合で平均19.4±2.0cm、固定した場合で平均19.3±2.6cmであった。固定した場合における股関節の可動範囲は平均38.7±9.8°、足関節の可動範囲は平均10.1±2.3°であったのに対し、動く場合はそれぞれ平均27.5±7.8°、平均6.6±2.8°と関節可動範囲は動く場合で小さかった。動く場合の重相関係数は試行間で0.99と再現性は良好であった。
支持基底面内で重心を最大限移動させるという課題に対して、固定した場合と動く場合で重心移動幅はほとんど変わらないものの、動く場合は関節をそれほど大きく動かさなくても床面が動くことにより容易に重心が移動できることが確認できた。動く重心動揺計を使うことの利点は、立ち直り反応の早さに基づいたボランス評価が、関節機能に比較的影響を受けず可能な点にあると考えられた。この特徴を活かし、高齢者における転倒回避能力の評価へとつなげ、加齢による姿勢変化とバランス能力の関係を明らかにしていきたい。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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