研究概要 |
本研究は後肢懸垂と後肢懸垂解除後のラットヒラメ筋におけるデスミンとプレクチンの遺伝子発現をRT-PCR法やin situハイブリダイゼーション,タンパク発現をウエスタンブロット法などの分子生物学的,分子組織化字的手法や,生化学的および免疫細胞化学的手法を用いて解析することを目的とする. 平成15年度の研究実施計画に沿って、PCR法による遺伝子発現解析のために、1)データベースをもとにラットデスミンおよびプレクチに対するプライマーをそれぞれ設計し、合成オリゴヌクレオチドを合成した。2)ラット骨格筋から調整したpoly(A)^+RNAを鋳型としたcDNAを用いて、作製したプライマーによるPCRを行った。その結果、デスミンについては318bp、268bp、プレクチンについては402bp、463bp、504bpのcDNA断片を得ることができるPCR条件を設定することができ、その遺伝子配列のシークエンスからそれぞれの遺伝子が特異的に増幅されていることが明らかになった。次にin situハイブリダイゼーション法による遺伝子発現解析のために、3)得られたcDNA断片をプラスミドベクターに挿入し、in vitro transcription法によるジゴキシゲニン標識のantisense鎖およびsense鎖cRNAプローブを作製した。現在、ラットヒラメ筋のパラフィン包埋切片を用いたin situハイブリダイゼーションの反応条件を検討中である。 次年度(平成16年度)は、得られたRNAプローブを利用し、Wistar系雄性ラットの正常個体、後肢懸垂モデル(1〜4週間懸垂予定)のヒラメ筋に対するin situハイブリダイゼーションを施行する予定である。またタンパク検出には,これまで我々が行ってきた共焦点レーザースキャン顕微鏡による免疫細胞化学的手法に加え,同手法で用いた特異抗体によるウエスタンブロット解析を施行する.
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