1.得られた研究成果 今年度は準備期間として視覚障害者教育機関(筑波大学附属盲学校)及びオーストリアのリンツ大学の研究機関との研究集会を介して、Webアクセシビリティを含む情報アクセシビリティの現状調査を行い、研究協力関係を結ぶ事ができた。また、Webコンテンツ処理の研究会、WDA(Web Document Analysis)へ参加し、Webドキュメント処理に関して見識を深めた。 文書認識技術での協力を得ている九州大学鈴木昌和研究室との研究打ち合わせを頻繁に行い、文書認識関係の以下の2論文を発表: (1)"Detection of Matrices and Segmentation of Matrix Elements in Scanned Images of Scientific Documents" (2)"行列要素間ネットワークを用いた行列の構造解析" これらの論文は、行列要素間の関連を用いた行列構造解析に関してであるが、Web上のコンテンツ間の関連を用い、Webコンテンツの構造解析にも応用出来る可能性がある。 また、情報アクセシビリティに関しては論文「数学の授業におけるインタラクティブなコンテンツを含んだ授業教材作成システム」を発表し、研究集会においては「墨字・点字双方向リアルタイム表示システムの実現に向けて」として、情報の提供手段に関しての研究も発表している。 2.今後の研究計画 (1)購入したPCを用いて、WebコンテンツのHTML、見た目の画像情報などからなるデータベース構築システムを作成する。 (2)作成したデータベースから、見た目の情報を用いた文書認識結果とHTMLからの情報を利用したWebコンテンツの解析アルゴリズムを開発する。 (3)開発したアルゴリズムを実装した実用レベルのソフトウェアを開発し、広く使用されるように、配布を行う。
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