本年度は、昨年度の地域の現状調査をもとに、特に「仲間との交流」が促進されている活動について、参加型の観察を行った。その結果、後期高齢者の機能訓練を目的にした「仲間と交流できるプログラム」を作成、選定し、60分×10回分としてまとめることができた。その内容や特徴については、来年度の活動の中で、公表して行く予定である(上越教育大学公開講座「中・高齢者のためのやさしい運動教室」を予定)。 また、昨年度内地研究員の期間に収集した「体ほぐしの運動」の内容をもとに構成した研究成果は、今年度前半地元上越での「高齢者の運動指導者養成の講座」で、プログラムとして提示、実際に指導法を展開することができた。その内容は、構成と展開に着目して再編成し、現在ホームページとして公表する予定で作成中である(来年度5月に公表予定)。 このような観察・実際のプログラムの提示・指導法の展開を行う中で、新たな課題が浮かび上がってきた。それは「評価」の問題である。そこで、まず、高齢者自身の自己評価の促進を念頭におき、「ソーマティクス」に着目し、海外出張においてその実際の指導場面を観察、研究資料を収集した。ソーマティクスは、「すべての年齢を対象とした身体のためのプログラム」であり、その内容は、自身の身体を整える方向に気付きを促すものである。 加えて、仲間との交流の評価として、「高齢者の総合的機能評価ガイドライン」をもとに、特に「コミュニケーション」、「ソーシャルネットワーク」といった評価項目を中心に、仮調査を行い、評価項目を設定することにも取り組むことができた。 来年度は、地元上越市の健康でのプログラムの展開が予定されており、異世代間交流を可能にする地域の体操づくりを展開することになる。新たに加えた評価の問題も含めて、システム化していく予定である。
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