研究概要 |
低酸素発生装置及び簡易式テントを設置し,テント内の酸素及び炭酸ガス濃度の変化を測定した.炭酸ガス濃度の増加を抑えるため,炭酸ガス吸収剤をテント内に設置した.その結果,酸素及び炭酸ガス濃度はそれぞれ12,0%,0.1%で維持可能であることを確認した. 間欠的低酸素暴露による最大下運動時の呼吸循環応答の変化を明らかにするために,以下の実験を実施した. 被験者を15名の持久的鍛練者とし,低酸素群8名,コントロール群7名とした.間欠的低酸素暴露には簡易式低酸素テントを用い,時間及び期間を3時間/日,2週間とした.2週間の間欠的低酸素暴露前後に最大及び最大下運動テストを実施した.また,安静時において採血を行い,血液成分の分析を行った. 2週間の間欠的低酸素暴露後,両群共に血液成分に変化が認められなかった.最大運動テストにおける呼吸循環応答にも両群共に変化は認められなかった.低酸素群では,最大下運動時に酸素摂取量及び心拍数の有意な低下が認められた. これらの結果から,短期間の間欠的低酸素暴露により運動時の酸素摂取量の低下,すなわち運動効率が改善することが示唆された.
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