研究概要 |
身体に過剰に体脂肪が蓄積している状態であることが,身体活動を行うにあたって何らかの影響を与えていることは,これまでの研究で明らかにされてきている.しかし過剰な体脂肪の増加が具体的にどのように身体活動に対して影響を与えているか明らかにされていない現状であった.本申請者は,体脂肪の蓄積が身体活動にどのように影響をおよぼすのか解明するために「仮想体脂肪法」という考え方を考案し,数量的に明らかにした.しかし体脂肪が「重さ」であると仮定して負荷加重をかけた場合どのように身体活動へどのような影響を与えるのか具体的に分析を行う必要がある.そこで,体脂肪の分布状態を正確に把握する必要があり,その分布状態に基づいた負荷荷重分布を行う必要があると考えられることから,体脂肪分布についての調査を行っている.男性49名,女性102名,計151名の成人男女に対してインピーダンス法を用いて体脂肪分布について調査を行った.その結果,男性では身長164.1cm,体重61.66kg,全身の体脂肪率23.84%,体脂肪分布では右足20.6%,左足21.3%,右腕17.83%,左腕18.64%,体幹部26.39%であった.女性では,身長152.1cm,体重51.9kg,全身の体脂肪率33.84%,体脂肪分布では右足34.0%,左足34.2%,右腕28.28%,左腕30.47%,体幹部34.33%という分布結果であった.これらに基づいて,「重さ」としての体脂肪の身体活動への影響を明らかにしていく.
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