二年間に亘る研究の二年目に当たる今年度は、昨年度から引き続き追跡調査を実施した。 〔追跡調査〕 昨年度と同様の、毎月一度の頻度で行う転倒に関する追跡調査を引き続き継続した。調査方法は昨年度と同様で、電話、郵送、ファックスおよびEメールのいずれかとした。全12回中昨年度に4回の調査を完了していたため、今年度は残りの8回の調査を実施した(最終月11月)。 〔結果および考察〕 入院、死亡、そして連絡不能等による調査中止者12名を除き、1年間(12回調査)全完了者は322名であった。 複数転倒者を含む各月ののべ転倒者数(%)は、14(4.3)、16(5.0)、18(5.6)、8(2.5)、10(3.1)、7(2.2)、11(3.4)、5(1.6)、8(2.5)、5(1.6)、9(2.8)、7(2.2)であり、毎月の平均転倒者割合は約3.1%であった。 年間の複数転倒者を含む転倒は118名(全体の36.6%)であった。そのうち複数転倒者は27名であり、転倒者の34.17%を占めた。一年間のうち一回のみ転倒者は52名であった。高齢者運動機能と転倒との関連については集計中である。 召集型の健康調査に参加できる70歳以上高齢者を一年間の転倒経験を追跡した結果、全体の3割以上の高齢者が転倒しており、転倒者のうちの3割以上が2回以上転倒していることが分かった。このことから、高齢者の転倒防止対策の緊急性が改めて確認された。
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