本年度は、昨年度の研究成果をふまえキャリア教育プログラムおよび教材の開発に向けて、以下の3つの研究を実施した。 1 大学生のキャリア教育、キャリア発達に関する質問紙調査(本調査) 大学生約500名を対象にキャリア教育およびキャリア発達に関する質問紙調査(本調査)を実施した。分析の結果、大学におけるキャリア教育は、学生自身のキャリアに関する諸能力を育成するとともに、キャリア教育についての知識・理解が必要であることが明らかになった。本調査の分析については現在継続して検討中である。 2 大学生のキャリア発達に関する質的調査 大学生20名を対象にインタビューを実施した結果、キャリア発達においては、暫定的な意志決定の経験が重要な意味を持つことが明らかになった。特に義務教育卒業時までに暫定的決定を行うことが、その後のキャリア選択への積極性につながるという結果を見いだせた。 3 米国およびカナダの生涯学習におけるキャリア教育の実地調査 米国のペンシルバニア州立大学および、カナダのブリティッシュコロンビア大学等を訪問し、大学および生涯学習の場におけるキャリア教育の実態調査を行った。米国・カナダでは大学におけるキャリアセンターが地域の生涯学習としてのキャリア教育や、キャリアカウンセリングにも重要な役割を担っていた。また、キャリア・ポートフォリオを導入したキャリア教育プログラムが成果を上げていた。 現在、調査結果をふまえて、キャリア・ポートフォリオを導入したキャリア教育プログラムおよび教材の検討を行っている。
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