戸建住宅居住者を対象として行ったアンケート調査の結果から、大半の住民が永住する意向を持っており、戸建住宅地の高齢化は今後さらに深刻になることが予想された。それに伴って、住民が住みやすい住環境を整備していく必要があることが明らかになった。また、高齢化による居住者の減少により、空き家、空地などが増加していくことが考えられるが、これらの活用についても考えていく必要がある。 また、住宅及び住宅地の住環境に対する否定的な評価も多く、大半の住民が永住したいと考えている一方で、居住環境に対して不満を持つ人が少なくないことがわかった。それらの評価内容から得られた問題点を大きく分類すると下記の7点である。 (1)徒歩、自転車、バスでの移動の不便さ(バスルート、便数の不足) (2)公共施設と行政サービスの不足(奈良市側と比べて) (3)近隣関係の希薄さ (4)庭、住宅の管理の大変さ(特に住宅2階部分は利用しづらい) (5)買い物環境の不備(小売店、商店街等の誘致に対する要望) (6)現存する空地に対する不満 (7)集合住宅(アパート)との混在に対する不満 このような問題点は高齢化が進むにつれ、さらに深刻になっていくと考えられる。そのため、これらの問題について解決策を検討していくことが今後の課題である。また、前述のように増加が予想される空き家、空地などの空間について、上記の問題点も考え合わせた上、住民からの要求に応じた地域の共用空間としての活用方法も検討していく必要がある。
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