前年度に引き続き「氷温技術」を応用することでイカ類の食品的価値の向上を目指すことを目的として実験を行ったところ以下の結果が得られた。 1.表面の赤色においては、氷温貯蔵個体のほうが赤色を長く維持できることが明らかとなった。 冷蔵では12時間語には赤色の面積が減少するのに対し、氷温貯蔵では24時間後まで維持された。一般的には低温ほど色素胞が収縮するため赤色は退職する。氷温貯蔵はこれと逆の結果となっており、非常に興味深い。 2.K値の上昇が24時間から48時間後において氷温貯蔵により抑制された。 3.遊離アミノ量の結果からは特に目立った違いは認められなかった。 4.タンパク質量を水溶性と不溶性とに分画して測定したところ、特に大きな違いは認められなかった。 以上の結果より、氷温貯蔵では色調やK値の変化が冷蔵よりも強く抑制されており、今後、冷蔵に代わる貯蔵方法として期待される。
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