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2003 年度 実績報告書

茶葉カテキンと金属イオンとの錯形成反応の電気分光化学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15700485
研究機関西九州大学

研究代表者

安田 みどり (隈本 みどり)  西九州大学, 健康福祉学部, 助教授 (20279368)

キーワードカテキン / 金属イオン / サイクリックボルタンメトリー / 酸化 / 錯形成 / 酸化電位 / 酸解離定数 / 緑茶
研究概要

茶葉に含まれるカテキンは高い抗酸化性を有している。この抗酸化性は、金属イオンの添加によって影響を受けることがわかっている。しかし、そのメカニズムについては明らかになっていない。本研究では、分光学印および電気化学的手法を用いて、カテキンの酸化反応とカテキンと金属イオンとの錯形成皮応のメカニズムの解明を行うことを目的とした。
電気化学アナライザーを用いるサイクリックボルタンメトリー(CV)測定によりカテキンの酸化及び還元電位を調べた。カテキンは酸化ピークのみを示し、その酸化電位はpHが高くなるとともに減少することが明らかになった。この結果は、抗酸化性の結果を支持し、pHの高まりとともにカテキンが酸化されやすくなることを示唆している。また、抗酸化性の高いカテキンほど低い酸化電位を示した。
種々の金属イオンとカテキンとの錯体形成を調べるために、カテキンに13種類の金属イオンを添加した溶液の吸収スペクトル測定を行った。その結果、pH7.4における(-)-エピガロカテキンガレート(EGCG)の極大吸収波長は、Cu^<2+>、Fe^<2+>、Fe^<3+>、Zn^<2+>、Al^<3+>を用いたときに275nmから312nmへシフトすることが明らかになった。また、この結果は、pH9付近におけるカテキンのスペクトル変化と同様であったことから、カテキンの酸解離定数(pK_<a1>)を解析したところ、ガレート基を有するカテキンに顕著なpK_<a1>の減少が認められた。また、カテキンと金属イオンとの混合溶液のCV測定を行い、金属イオンがカテキンの酸化電位に与える影響を調べた結果、Al^<3+>、Cu^<2+>、Fe^<2+>、Fe^<3+>の添加によりEGCGの酸化ピークが顕著に変化することが明らかになった。
以上の結果から、金属イオン添加によるカテキンの抗酸化性の変化は、金属イオンとカテキンとの錯形成とそれに伴うカテキンの酸化反応の変化であることが明らかになった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 安田みどり, 尊田民喜, 長谷川のぶみ, 熊川景子: "コーヒー及びコーヒー殻を用いた重金属の除去"日本家政学会誌. 54・10. 827-832 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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