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2004 年度 実績報告書

各種ポリフェノール類と微量栄養素の相互作用に関する栄養生理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15700490
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

五十嵐 香織  独立行政法人理化学研究所, 加速器利用展開室, 協力研究員 (90360487)

キーワードカテキン / 硫酸第一鉄 / 吸収 / カニュレーション法
研究概要

ポリフェノール類は、その機能性について多くの研究が行われ、生体に対する様々な作用が報告されている。しかしながら、他の栄養素に及ぼす影響などについては不明な点が多い。ポリフェノール類の錯体形成能や凝集沈殿効果などの化学的性質を考慮すると、ポリフェノールが生体必須元素や有害金属、微量栄養素などの代謝過程に大きく影響を与えていると考えられる。そこで、昨年度に引き続き、カニュレーション法を用い鉄吸収に及ぼすカテキンの影響について検討した。ラットの頚静脈および胃にカニューレを挿管固定し、それぞれ採血用、および試料投与用とした。試料は、鉄として5mgに相当する硫酸第一鉄、または硫酸第一鉄にカテキン0.2mgを加えたものを0.5mlに調整した。術後回復期間を設けた後、ラットに試料を投与して経時的に採血を行った。採取した血液は遠心分離を行い、血漿より鉄吸収の指標として血清鉄濃度を測定した。硫酸第一鉄およびカテキンを投与した群は、試料投与15分後および30分後において硫酸第一鉄のみを投与した群に比べ血清鉄濃度が高値を示し、試料投与15分後においては、両群間で有意な差が認められた。しかし、血清鉄濃度の経時的変化より曲線下面積を求め、鉄の吸収について検討したところ、硫酸第一鉄およびカテキンを投与した群は、硫酸第一鉄のみを投与した群と比較し有意な差は認められなかった。このことから、鉄の摂取量が多い場合、カテキンは鉄吸収を阻害せず、むしろ鉄の吸収速度を促進する可能性が示唆されたが、カテキンが鉄吸収に及ぼす影響について考察するためには、他の栄養素が存在する場合における検討が必要であると考えられる。現在、鉄濃度を変化させた場合のカテキンが鉄吸収に及ぼす影響の変化について検討中である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2004 その他

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] ラットにおける各種鉄強化剤による鉄欠乏改善に対する効果の比較2004

    • 著者名/発表者名
      五十嵐 香織
    • 雑誌名

      日本栄養・食糧学会誌 57・2

      ページ: 89-97

  • [雑誌論文] カルノシンが鉄吸収に及ぼす影響2004

    • 著者名/発表者名
      五十嵐 香織
    • 雑誌名

      Biomedical Research on Trace Elements 15・4

      ページ: 370-372

  • [雑誌論文] Multitracer study on the uptake of various trace elements in anemic rats : Influence of NaFeEDTA and ferrous sulfate as iron fortificants

    • 著者名/発表者名
      Kaori Igarashi
    • 雑誌名

      Nutrition Research (発表予定)

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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