研究概要 |
本研究の目的は,子どもたちに科学の知の創造プロセスを体験させることで,子どもたちの科学的創造性を育成するという、「知識構築型実験・観察活動」を我が国の理科教育に確立し定着するという課題について,主に教授学習論の立場から検討することである. 本年度は,次の2点を実施した. 1.関連文献・資料の収集と文献データベースの構築 知識構築プロセスや実験・観察の関連文献・資料を収集した.関連文献は,国内外の理科教育にとどまらず,企業における知識構築を扱った経営学,科学者や技術者の理論構築や新発見プロセスの解明を試みている文化人類学および認知科学といった隣接学問領域の文献を幅広く収集し,それらの文献を理科教育の教授学習論の観点から分析した.現在,データベース化の65%が終了している. 2.実地調査と授業分析 国内の学校を実際に訪問し,実験・観察場面に関する実際的な資料を授業参観・インタヴューなどの手法により収集した.小学校・中学校を対象として,宮崎県内の指導的立場にある熟練理科教師の授業のほか,全国的に著名な理科教師の公開授業を調査した.
|