研究概要 |
本研究では,インターネット上の既存の学習リソースが提供するハイパー空間における主体的学習の支援を目的として,学習者自身がどのような経路で学習を進めていくかを検討可能なパスプラニング環境を実現するナビゲーション支援システムを開発している. この目標を達成するために,平成15年度は実験用の学習リソースを作成するとともに,学習者の行動履歴を収集可能な実験環境を構築することによって,ハィパー空間において学習経路を決定するタスクについて分析した.これらのタスクはナビゲーションに関するメタ認知的活動であると考えられるため,こうした活動を適切に具体化・外在化するための支援環境について検討した.加えて,既存の学習リソースを対象とする場合には,学習するトピックに注目して複数の学習リソースを横断的に学習する必要があることが明らかになった. また,実際のウェブページを対象として,文書の論理構造や表示方法の記述に利用されているHTML (Hyper Text Mark up Language)を調査・分析することによって,プラニング文脈を反映した概要情報を生成する際に重要となるタグを抽出した.この過程においては,HTML以外の技術を利用した学習リソースに対応するフィルタリング技術についても検討した. これらの知見を元に,ハイパー空間における学習者の情報収集・活用能力の向上を支援できるスキーマを提供することを目的として,パスプラニング過程をモデル化した.さらに,ページの概要情報を自動生成し,それを複数並べて比較・参照させることによって,学習に先立って学習者自身にパスプラニングを行わせるナビゲーション支援システムを設計・開発した.
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