本研究の具体的目的として、・教育対象・規模に応じたストリーミング配信環境のモデル化 ・学習者からのフィードバック方法の検討 ・複雑な予備知識なく教育コンテンツを容易に発信できるような機材・技術及び使用法のパッケージ化 ・学校の教室など、小規模な集団におけるストリーミングを利用した情報発信支援を設定している。 本年度はまずシステム環境に関する基礎的検討として、本学附属小学校をモデルとし、ストリーミングサーバの設置および映像作成環境の整備を行った。ここでは映像製作を利用した学習成果のとりまとめと、その継承を行っており、映像コンテンツ作成に関するカリキュラムの再検討、学習成果の継承のために必要な枠組みとして、学校図書室における不学校独自の学習成果のデジタル化とそれに必要な成果分類の方法に関する検討を行っている。また、コンテンツ作成や保存・発信に必要な現場教員のためのマニュアル作成、操作等の研修内容の検討を進めている。その上で、校内ネットワークにおける映像の伝達と利用に必要な環境の構成と運用に必要な知見をまとめる予定である。また、これと関連して学習の様子やデジタル化された学習成果を保護者に対して提供し、さらに学校と保護者の連携を日常的かつ密なものとするためのデジタルコミュニケーション手段に関する実践と検討を行った。またこれらの成果を、日本教育工学会第19回全国大会において発表した。 最終目的は社会人教育であるが、現在本学では全学規模でのeラーニングに関する検討が進められている。それを踏まえた上で附属小学校等において得られた知見を、社会人や大学院生に対する教育を進める上で役立つものとなるよう次年度においてまとめていく予定である。
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