研究概要 |
本研究の目的は,ワイヤレス・モバイル端末を用いたユビキタスコンピューティング環境において,学習者個人個人にあった形で,適応的に日常的な学びを支援するユビキタス協調学習環境のフレームワークをデザインし,実際にシステムを開発・評価することである.特に,学習者中心の学習デザインに立ち,いつでもどこでも(anytime and anywhere)利用できる学習環境を提供するだけでなく,適切な場所で適切な時に適切な教材や解決方法,並びに協調学習のきっかけを与える学習環境RTRPL(Right Time and Right Place learning)を目指す. 特に言語学習は,辞書やテキストを用いた学習だけでなく,日常生活で獲得される部分も大きいと考えられており,本研究では言語学習を対象としたユビキタス学習環境を構築した. 具体的には,平成15年度は,以下の3つのサブシステムを開発した. 1つ目は,学習者が日常生活の経験で得た知識を共有しRTRPLを促す,用例学習支援システムである.2つ目は,学習者の対話相手や周りの状況を把握し,それに合わせて適切な待遇表現を提示する,待遇表現学習支援システムである.3つ目はRFIDタグを日用品につけ,日常生活の中で単語学習を支援するシステムである. 研究成果は,国際会議IEEE WMTE2004(International Workshop on Wireless and Mobile Technologies in Education)に出席し,2件の発表を行った.また,次回のWMTE2005のホストを務める予定である.
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