研究概要 |
本研究の目的は,英作文学習を対象とし,アニメーションを用いて学習者のリフレクション活動を誘発する手法を確立する事である.特に,学習者が誤った英作文を行った際に,その誤りをアニメーションとして可視化する事により,学習者が自発的に自らの誤りを修正する事を支援する. この目的を達成するため,本年度は,交付申請書に記載した通り,革文の意味内容をアニメーションにより可視化する手法の確立と英文可視化システムの実現を中心に研究をおこなった.以下,本年度の成果を述べる. 1.英文の意味内容の可視化手法の確立 英文を解析して得られる意味情報からアニメーションの生成に必要な情報を生成し,アニメーションへ変換する手法を確立した.対象とするイベントは,物体の移動および可視化可能な属性の変更である.一般に,文中には,物体の座標値や詳細な形状などアニメーション生成のために必要な情報は明示されない.本研究では,あらかじめ物体やイベントの属性のデフォルト値を定めておくことで,そのような情報の補完をおこなう.デフォルト値が不適切な場合は,英文を入力する際に,ユーザが修正する.物体の描写にはあらかじめ用意した画像を表示するが,色や大きさごとに画像を用意しておくのではなく,あらかじめ用意した画像を画像処理することで動的に必要な画像を生成する. 2.英文可視化システムの構成法の検討とシステムの実現 当初の予定では,1に沿って英文の意味内容を可視化するシステムの構成法を検討し実現する予定であったが,本年度は,英文の意味情報から,アニメーション生成に必要な情報を生成する機能の実現をおこなった.より具体的には,先行研究で実現した英語の自然言語理解機能から出力された意味情報と,属性のデフォルト値を保持している概念辞書とを用いて,アニメーション生成に必要な情報を生成する.
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