研究概要 |
これまでCSCW(Computer-Supported Cooperative Work)の文脈では重視されてきたが,遠隔教育の場面では重要視されてこなかったアウェアネス提供の問題をとりあげ,アウェアネス提供システムの実装と,現実の教育場面における適用を行った.本年度は初年度に当たるため,主にシステムの構築を行った.当初予定では,WindowsワークステーションとCCDカメラの組み合わせによって,動画によるアウェアネス提供を予定していたが,より高性能なネットワークカメラとMacintoshワークステーションが発売されたため,それらを用いたシステム構成とした.システム(アウェアネス提供部)はhttp://pvq.jp/notice/でインターネット上に公開中である.当初予定ではサーバへのFTP転送による静止画配信,もしくは1fps程度の動画配信を予定していたが,インターネット回線を通じても3〜4fps程度の質を維持できる良好なアウェアネス提供が可能となった.教員の行動予定や現況についての情報も,同時に提供することのできるシステムを構築することができた.システムの連続動作と,それに対する教員の心理的負担の側面についてのベンチマーキングを行い,いずれも安定して実施可能であることを確認した.次年度は,本年度構築したシステムを利用した,教育場面での実践と,社会心理学的な効果の測定を行う予定である.
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