研究概要 |
1つの授業を複数の教員やTAが担当するチームティーチングの授業形態では,個々の学習者を指導する教授者が変わるので,意図した学習効果を引き出すことが難しく,進捗状況を把握することが困難であるなど,その実施には解決しなければならないさまざまな問題がある.そこで,医療分野で用いられている「カルテ」を参考にし,教員が学習者の学習活動やそれに対する指導内容を記録し,その記録を参照しながら今後の指導方法を検討したり,学習者の成長過程を分析するためのシステム開発を行っている. 平成15年度の進捗状況は以下の通りである. (1)学習状況の記録必要用件の抽出 本学情報工学科1年必修科目「プログラミング演習」を例に,教授者が記録する学習者の学習状況の種類や記録の頻度など,本システムで収集すべきデータの諸用件を,教員等のヒアリング調査によって抽出した. (2)電子カルテシステムのプロトタイプの構築 (1)の結果を基に,具体的な機能と電子カルテシステムの基本設計を行った.また,先行研究で開発が進められているレポート提出システムや授業計画書作成支援システムとの連携機能の設計など,外部システムの組み込みに関しての検討を行った.さらに,現在はプロトタイプシステムの開発に着手している.
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