研究概要 |
今年度は2つの実践に対する調査研究を行った。 1.講義自動撮影システムを用いた講義アーカイブ実践における講師・受講生への影響 講義を撮影されることによる講師や受講生への影響,講義アーカイブを理解するために重要な情報,自動的に作成された講義アーカイブの有効性,の3点を明らかにすることを目的として,質問紙調査及びインタビュー調査を実施し,分析及び考察を行った。その結果,授業を撮影されることによって,当初講師や受講生には心理的な負担が若干かかるものの,経験によってその負担は減少していくことが分かつた。また,講義アーカイブを見る際に受講生が重視しているのは,音声情報と教材情報であること,アーカイブ化される授業においては「教材への適切な指示」が非常に重要であることが示唆された。さらに,作成された講義アーカイブについては画質や音質の面では十分高い評価を得ることができ,FDに役に立つ可能性が大きいことが分かった。 2.遠隔ゼミにおける受講生のメディア活用について 平成15年度から京都大学と鳴門教育大学間で京鳴バーチャル教育大学(KNV)実践を行っている。京都大学教育学部学生と鳴門教育大学現職教員大学院生が,ビデオチャット,テレビ会議,電子掲示板を通じて教育に関する問題について議論する授業である。本授業を対象にして,複数のメディアを用いて遠隔ゼミを実践した際に,学生がどのような意識を持ってメディアを活用したのか,またメディアは授業の目的を満たすために役に立ったのかを明らかにすることを目的として,インタビュー調査を行った。その結果,実践での環境に対して技術的な面に不満を持つ一方で,与えられたメディアの特性を活かそうと試みていることが分かつた。
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