研究概要 |
第1年目は研究の基盤となる教材の仕様を検討し,試作を行った.また,実際に学生実験の中で試作機を活用した. (1)自動販売演習機の試作:自動販売機,電子錠などの実機を詳しく調査し,小型版の教材に求められる仕様の検討を行い,実機の制御を基にしたハードウェア実験教材(自動販売演習機)の試作を行った.これは,外部から正論理の信号を入力することにより,缶の落下,電子錠の施錠,開錠の制御を行うことのできる教材である.製作は将来的に量産も行えるように教材の製作を行っている企業に依頼した. (2)学生実験への適用:九州産業大学情報科学部の第2学年の学生実験で,約230名の学生に対して自動販売演習機を用いたカリキュラムを検討し,実際に指導を行った.実験課題として,自動販売機制御回路,電子錠制御回路の設計・製作を行わせ,動作の検証に自動販売演習機を用いた.その結果,学生に対して強い動機付けを行うことができ,学生からの良好な反応を得ることができた.また,実験実施後のアンケート調査の中で,「回路の動作確認に用いるものとして,オシロスコープ,発光ダイオード,実際に動作する機械のどれが分かりやすいか」という設問に対し,およそ9割の学生が実際に動作する機械を選んでいたことからも,本研究の有効性を確かめることがてきた.
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