研究概要 |
本研究初年にあたる平成15年度には,現地測量などの基礎資料収集を中心に行い,人工衛星データの画像処理に着手した。 まず財団法人資源・環境観測解析センター(ERSDAC)を通じて米国航空宇宙局(NASA)ジェット推進研究所(JPL)ASTERサイエンスチームに研究提案を提出し受託された。これにより,本研究に必要な北ケニア半砂漠地帯での乾季画像を,地球観測衛星Terraに搭載されたASTERセンサで取得する観測計画の登録が承認された。 8月から10月にかけて3ヶ月間にわたりケニア共和国で現地調査を行った。衛星画像および空中写真を利用して基盤地図データを作成する上で不可欠なコントロールポイントの地上座標を正確に測定するため,全地球測位システム(GPS)を利用した測量を約2万km^2にわたる半砂漠地帯にて行った。また,政府機関であるケニア測量局から既存の地形図,測地ネットワークの情報を,ケニア気象部からは研究対象地域に存在する観測所で記録された降水量データの提供を受けた。さらに国際連合環境プログラム(UNEP)から同地域での早魃記録を中心とした資料の提供を受けた。 次に本年度の夏から秋にかけて取得されたASTER衛星画像を入手し,標高データ抽出,地形補正などの画像処理に着手した。現時点までに対象地域全体の6分の1程度の処理が済み,この結果を平成16年5月にマレーシアで開催される第7回「発展途上国での地理情報システム利用に関する国際セミナー」(GISDECO)で発表予定である。
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