研究概要 |
本研究2年目にあたる平成16年度は,前年度に引き続き地図データ作成に必要な衛星データの収集を進める一方,国内外の学術会議で中間成果報告を行った。また,ステレオ衛星データから標高を抽出する作業の効率化を行った。 [衛星データの収集] 地球観測衛星Terra搭載ASTERセンサが北ケニア半砂漠地帯を撮影したステレオ画像データの収集を行い,データ整備を進めた。 [国際会議での中間成果報告] 平成16年5月にマレーシア・ジョホール州で開催された「発展途上国での地理情報システム利用に関する国際会議」(GISDECO)で,本研究の中間成果報告を行った。発展途上国の諸地域では,広域の測量作業が困難なため迅速な地図更新が行えない。衛星データを利用した地形図作成・更新の実用可能性が示せたため,高い評価を得た。 [道路網データ整備の手法開発と報告] 平成16年5月に行われた日本アフリカ学会で,本研究成果の一部となる衛星データと全球測位システム(GPS)調査を利用した道路網データ整備のための手法の報告を行った。北ケニアを対象とする他分野の研究者からも良好な反響を受け,対象地域の拡張やデータ提供の要請を受けた。 [シャトル・レーダー・トポグラフィー・ミッション成果の導入と報告] 平成16年から米国の主導で公表が進むスペースシャトル・レーダー・トポグラフィー・ミッション(SRTM)デジタル標高データのアフリカ大陸公開を受け,雲の影響などで本研究から欠損している地域のデータ補充に役立てた。この作業の一環として,同データの仕様や応用例を学術誌「アフリカ研究」の紙上で発表した。 [標高データ抽出作業の効率化] ブラジルで開発されたASTERステレオデータから標高を抽出する専用処理ソフトウェアの性能評価を行った。結果が良好であったため,同ソフトを本研究に導入し作業の効率化を図った。
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