研究概要 |
11月〜12月に掛けて,当初予定していた南米パタゴニア氷原に位置するエクスプロラドーレス氷河において,氷河流動モデルに組み込むための氷河の短期流動を,ディファレンシャルGPSを用いて計測した.この成果については2004年度日本地理学会春季学術大会において公表する予定である.また,モデルに必要な年間流動を計測するための測点を設置しており,2004年12月に再計測を行う予定である。また,気温データロガーも現地に設置し,年間の気温変化も把握できる予定である.さらに,モデルに不可欠な地形モデルを作製するために,空中写真測量に利用するGCPの計測も終了している.空中写真の撮影は,2004年度に行う予定である. 日本アルプスの氷河地形データベースの作成については,プロトモデルの作製を行い,2004年度以降,入力を行う予定である.さらに,このプロトモデルについては国際第四紀学会の企画出版物の一部(Sawagaki et al.,2004 in press)としてすでに印刷中である.さらに,モデル解析に必要な気象データについても,本研究費で取得したデータベースの解析を薦めており,地理情報システムを用いたデータベースに移植する作業を進めている. さらに,本研究の基礎となる日本アルプスの氷河地形に関する情報を,7月にアメリカ・ネバダ州で開催された国際第四紀学会において公表した.上記,企画出版物は,本国際学会の成果でもある. 一方,GISによるデータ処理技術の取得も,主として,東京大学空間情報科学研究センターにおいて進めつつあり,その過程の成果についても一連の共同研究として公開した.
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