• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2005 年度 実績報告書

ゼニゴケ被覆面におけるメタン吸収の通年観測とメカニズム解明

研究課題

研究課題/領域番号 15710015
研究機関首都大学東京

研究代表者

中野 智子  首都大学東京, 都市環境学部, 研究員 (70295468)

キーワードメタン / ゼニゴケ / 密閉チャンバー法 / 炭素循環 / 温室効果気体
研究概要

大気中に存在するメタンガスは二酸化炭素に次ぐ温室効果気体であり、その濃度変化は地球の気候変動に大きな影響を与える。通常、湿地のような湿潤な土壌はメタンガスの放出源となっているが、研究代表者が過去に西シベリアの湿地で観測を行った際に、ゼニゴケで覆われている土壌においてだけは大気中のメタンが土壌に吸収されるという特質を発見した。本研究は日本にも広く分布するゼニゴケにも同様の性質があるのかどうか明らかにすることを、またそのメカニズムを解明することを目的とする。
通年の野外観測を実施した結果、ゼニゴケ被覆面によるメタン吸収は場所によって大きく異なり、土壌が非常に湿潤な場合にのみメタン吸収が起こっていることが明らかになった。日本におけるゼニゴケの生育場所は、畑の縁辺部や民家の軒先など比較的湿潤ではあっても常時湛水していることは少なく、メタン吸収が起こるのは梅雨期など降水量の多い時期に限られることも分かった。このため、通年で見たときの自然状態でのメタン吸収能は比較的低いと結論付けることができる。メタン吸収のメカニズムを明らかにするため、野外観測と並行して室内実験も行った。実験では、ゼニゴケによるメタン吸収はメタン酸化菌による酸化反応ではなく、ヒドロキシルラジカルの化学反応によるものと示唆される結果が得られた。
今年度は、本研究のきっかけとなった西シベリアでの観測結果をまとめた論文が、Soil Science and Plant Nutritionに掲載され、また現地観測の結果を中心とした学会発表を行った。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Temporal variations in soil-atmosphere methane exchange after fire in a peat swamp forest in West Siberia2006

    • 著者名/発表者名
      T.Nakano, W.Takeuchi, G.Inoue, M.Fukuda, Y.Yasuoka
    • 雑誌名

      Soil Science and Plant Nutrition 52

      ページ: 29-40

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi