研究概要 |
研究次年度では,河川構造改変(河道直線化)に関わる空間情報解析とそれに活用するリレーショナルデータベースの構築に重点を置き主にGISを活用して作業を行った。1)データベース構築:釧路川流域と日本全国を対象とし,河川(サブ流域ポリゴン)ネットワーク,河川改修区間,基幹農業用排水路区間,河川内横断構造物,水生生物(主に水辺の国勢調査と自然環境基礎調査による魚類)等。2)空間情報解析及びマッピング:特に湿原植生群落構造の変化に最大の影響を与える土砂供給源の特定を目的とし,2時期の河川ラインデータ(1970年と2000年,1/25000スケール)と100mDEMおよび湿原ポリゴンを用い,河川リーチごとの屈曲度と河川縦断勾配の変化量から河床侵食ポテンシャル(河床崩壊予測値)を算出した。次にGISの中で抽出された各ポテンシャルのポイントデータ値と実際の湿原流入河川(久著呂川)に於ける河川崩壊区間の測量データを演算した。本解析結果を基に土砂生産が確実と考えられる立地条件の閾値を求め,釧路湿原流入河川全域に適用して崩壊地点の広域的予測を実現した。最終ステップでは,各サブ流域の崩壊地点数をクロス集計し,土砂流入インパクトを個々の水系単位で定量化した。 開発技術の特許出願:今回研究代表者が開発したアルゴリズム(湿原流入河川に含まれる全サブ流域ネットワークポリゴンに法則性を持つIDテーブルを持たせ、任意の地点から上流・下流を自動検索する解析技術)については名称「流域内河川区間識別方法」として平成16年4月特許出願を行った。 平成16年度中に筆者が筆頭で行った研究実績(口頭発表・誌上発表)は以下のとおりである。 (口頭発表)国内2回,海外3回 1.日本生態学会第51釧路大会,北海道釧路市,講演要旨集pp.304,02-V01。2.河川環境情報ネットワーク研究会,愛知県名古屋市,2004年7月:依頼口演。3.EGU(European Geoscience Union)1st General Assembly(April 2004: Nice France, Geophysical Research Abstracts Vo.6 2004 EGU04-A-01716 P-0154)。4.Asia・Pacific Innovation Project workshop, in Singapole, Dec.2004(Proceedings of the 3rd APEIS W.S.) 5.The Third International Workshop on Marine Remote Sensing in the Northwest Pacific Region(11-13 Oct.2004: Beijing:依頼口演) (紙上発表)国際誌4報:ACTA GEOGRAPHICA SINICA、Ecological Modeling, Geophysical Research Abstracts 国内誌1報:資源環境対策2004年9月号,Vol.40 No.11,pp41-49 (特許)1件:発明代表者 亀山哲,【特許名称】流域内河川区間識別方法,平成16年4月26日出願
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