昨年度の研究により、消費者による環境管理のより詳細な機能モデリングの必要性、既存のLCAデータベースの情報と提供すべき情報との対応、提示方法に関する機能モデルの精緻化の必要性が課題として挙げられた。これらの課題は以下に示すようなケーススタディを通じて検討を行った。 本年度はとくに「お茶を飲む」という消費行動を例として用いてLCAを実施し、消費者にどのような情報を提供すべきであるか、そのためにはどのような情報が必要なのか、そのような情報はどのような情報源から得ることができるのか、手に入らない情報についてはどのように仮定をおいて考えるべきか、ということを検討した。 お茶の容器であるPETボトルのLCAについては研究辞令があるが、「お茶を飲む」という行動に関する研究事例は見当たらない。コンビニエンスストアでPETボトル入りのお茶を購入するのか、お茶のパックを購入して湯を沸かして自宅で淹れるのか、適切なごみの分別・リサイクルを行ったときとそうでないときにどのような環境負荷の違いが出るのか、その環境負荷を消費者が認識するためにはどのような提示方法がありうるのか、ということを詳細に検討したうえで消費者が実際に利用できるソフトウエアのプロトタイプを試作した。また、他の消費行動についても同様の情報を提示するためのテンプレートのあり方、お茶の飲み方の改善という行動をとるまでの環境管理行動の流れについても考察し、同ソフトウエア上にこれを実現した。
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