1.緯度経度0.5度グリッド化された各種データベースの整備、純放射量の計算 年間値および月間値の気候データベース、地理情報(標高、太陽光反射率、土地利用形態)データベースの収集、整備を進め、これらを使って地球規模の月別純放射量を計算した。純放射量は植物の生長にとって重要な温量資源であるにも関わらず、その計算方法の煩雑さから地理的な分布はあまりデータベース化されていない。同様に、水資源の指標でもある放射乾燥度も併せて計算して、2004年9月に開催されるInternational Symposium on Food Production and Environmental Conservation in the Face of Global Environmental Deteriorationにおいて発表を行う予定である。高解像度の各種データを処理することが可能な大規模メモリを搭載したコンピュータの導入により、perlによる簡易的な処理が可能となった。このスクリプトも随時ウェブペイジで公開していく予定である。 2.人口密度分布と土地利用変化、純一次生産力の関係モデルの検証と修正 研究代表者である太田は、人口密度分布と森林面積、農耕地面積、都市面積などの土地利用変化の定量化と純一次生産力との関係をモデル化している。このモデル式の検証は行政単位で入手可能な社会統計値を利用してすでに行っているが、緯度経度0.5度グリッド単位のモデルに適応できるかどうかの検証は十分ではない。本研究では1.で整備した気候データや地理情報を利用して、グリッド単位で活用できるモデルに修正した。現在、アジア地域をモデルケースとした原著論文を執筆中である(Forest Ecology and Management誌を予定)。
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