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2003 年度 実績報告書

ウキクサの根圏における脂肪族および芳香族炭化水素分解作用の強化

研究課題

研究課題/領域番号 15710055
研究機関山梨大学

研究代表者

森 一博  山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 講師 (90294040)

キーワードウキクサ / 根圏 / 微生物 / 分解 / 芳香族化合物
研究概要

本研究では,水質浄化に利用される代表的な浮遊水生植物の根圏における炭化水素分解作用を強化することを目的に,本年度は根に付着している微生物群集の多様性と,これら微生物群集が根圏で発揮する芳香族化合物分解能力を検討した。最初に,様々な環境水に無菌ウキクサを植え付け,経時的にウキクサの根に付着している微生物群集の多様性をPCR-DGGE法により検討した。その結果,異なる群集構造を持つ河川水,湖沼水,下水二次処理でウキクサを栽培しても,根に形成される微生物群集の構造は類似し,根では特異な微生物群集が形成されることが示された。根からの分離株の根圏における増殖能を検討したところ,対照菌株として用いた一般的な栄養培地で高い増殖能を持つ大腸菌や活性汚泥より分離されたPseudomonas属の使用菌株に比べて,根分離株では何れも高い増殖能が示された。続いて,芳香族化合物の中から,フェノール,安息香酸,p-クロロフェノール,ビスフェノールについて,ウキクサ栽培系による分解除去能力を検討した。その結果,それまで供試芳香族化合物とは接触していないウキクサの根圏においても安息香酸とフェノールは速やかに分解除去され,常にこれら物質の分解菌が高い活性を維持していることが示唆された。一方,p-クロロフェノールとビスフェノールでは,長期間ウキクサをこれら物質で栽培することで徐々に分解作用が高まり,特に分解性が悪かったビスフェノールにおいても,60日を越える馴化を行うと,ほぼ全てのビスフェノール(初期濃度はTOCで15mg/l)が速やかに除去され,TOCを指標とした完全分解についても45%が9日間で無機化されるのが観察された。このようにウキクサの根には高い分解ポテンシャルが観察され,今後,様々な芳香族化合物及びアルカン酸の分解能の検討と,分解菌導入を含めた根圏分解作用の強化手法の検討が期待される。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 森一博: "ウキクサの根から分離した微生物の増殖特性"日本水処理生物学会誌. 別巻第23号. 62 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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