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2004 年度 実績報告書

ウキクサの根圏における脂肪族および芳香族炭化水素分解作用の強化

研究課題

研究課題/領域番号 15710055
研究機関山梨大学

研究代表者

森 一博  山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 講師 (90294040)

キーワードウキクサ / 根圏 / 微生物 / 分解 / 脂肪族炭化水素
研究概要

本研究では,水質浄化に利用される代表的な浮遊水生植物の根圏における炭化水素分解作用を強化することを目的に,本年度はウキクサ根圏微生物群集が発揮する脂肪族炭化水素分解能力を検討した。アルカンの分解試験は,(1)アルカン類を含まない系で栽培したウキクサ植生,(2)アルカン類を添加した系で長期間栽培したウキクサ植生系,(3)環境水(河川水,湖沼水等),(4)環境水に無菌的に栽培されたウキクサを植え込んだ系,(5)微生物を含まない無菌ウキクサのみを植種した系,をそれぞれ用いて行った。試験の結果,アルカン類への接触の如何を問わず,ウキクサ植生系において60%以上のアルカン分解が観察された。また,環境水のみの系あるいは無菌ウキクサのみの系では分解が観察されず,環境水に無菌ウキクサを植種した場合には分解が促進されたが,ウキクサ植生系に比べるとその分解能力は低いものであった。以上のことから,ウキクサの根圏には普遍的にアルカン分解能を持つ微生物が存在する一方,植生系内の微生物はウキクサからの酸素供給によりその活性が促進されていることが示された。さらに,微生物相を検討した結果,アルカン類を栽培液に加えることで根圏微生物数に変化は生じないが,優占微生物種には変化が生じていた。なお,分解系に存在した生菌数は,ウキクサ植生系と環境水でほぼ同程度であった。分解試験の結果とあわせて考察すると,ウキクサ根圏のアルカン分解微生物群集は,河川水などの環境水中に優占する微生物よりも根圏での生育に適した種により構成されていることが示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2004

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 環境水浄化技術,第4章 植物による水質浄化2004

    • 著者名/発表者名
      森 一博, 藤田正憲
    • 総ページ数
      204(35)
    • 出版者
      シーエムシー出版

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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