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2005 年度 実績報告書

固-液界面に形成される新規液体ナノ構造、水素結合分子マクロクラスターの研究

研究課題

研究課題/領域番号 15710072
研究機関東北大学

研究代表者

水上 雅史  東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (60333902)

キーワード固-液界面 / 2成分液体 / 水素結合 / 新規分子組織体 / 分子マクロクラスター / 全反射ラマン散乱測定
研究概要

全反射ラマン散乱測定による分子マクロクラスターの分子運動性の評価
我々は表面力測定、ATR-FTIR、吸着等温線測定により、アルコール(カルボン酸)-シクロヘキサンなどの2成分液体中のシリカ表面にアルコール(カルボン酸)が水素結合により厚み数10nmにおよぶ規則構造を形成することを見いだしている(水素結合分子マクロクラスター)。さらに全反射ラマン分光法を用い、より固-液界面近傍(数10nm)の局所的な液体の構造とそのダイナミクスを選択的に評価した。
昨年度までに、全反射ラマン散乱測定システムの構築と、エタノール-シクロヘキサン2成分液体中の測定を行った。ガラスプリズム界面近傍の水素結合OH伸縮振動ピーク(ν OH-bonded)はバルク中のν OH-bondedピークより低波数シフトしており(結晶状態のピークに近い)、バルク中より強固な水素結合の形成が示唆された。エタノール濃度上昇に伴い、ν OH-bondedピークは高波数シフトし、これは濃度上昇に伴うエタノール分子の運動性の増加を示唆している。
本年度は、2成分液体中の分子マクロクラスター形成によりガラス表面間に発現する長距離引力の理論解析を行い、分子マクロクラスターとバルク溶液間の界面エネルギーの評価を行い、ラマン散乱測定の結果と比較した。例えばメタノールマクロクラスターとバルクの界面エネルギーは、バルクのメタノール-シクロヘキサン界面エネルギーの10倍以上と見積もられた(7.2mN/m)。これはクラスター形成によりOH基が配向し、界面に高密度に存在するためと考えられ、全反射ラマン散乱で得られた結晶状態に近いν OH-bondedピークと対応している。また、濃度上昇に伴い界面エネルギーは減少し、これは分子運動性の増大を示唆しており、全反射ラマン散乱で得られたν OH-bondedピークの高波数シフトとの対応がみられた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Preparation of Nano-Films by in-situ Polymerization of Hydrogen-Bonded Macroclusters of N-isopropylacrylamide on Silica Surfaces2005

    • 著者名/発表者名
      G.Zhong
    • 雑誌名

      Chemistry Letters 34

      ページ: 228-229

  • [雑誌論文] Nano-Films Prepared by in-situ Polymerization of Self-Assembled Macroclusters of N-isopropylacrylamide on Silica Surfaces2005

    • 著者名/発表者名
      Y.Nakagawa
    • 雑誌名

      Transaction of the Material Research Society of Japan 30

      ページ: 667-670

  • [雑誌論文] Surface Induced Hydrogen-Bonded Macrocluster Formation of Methanol on Silica Surfaces2005

    • 著者名/発表者名
      M.Mizukami
    • 雑誌名

      Langmuir 21

      ページ: 9402-9405

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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