研究概要 |
報告者の研究グループで開発中の地雷探知用6足歩行ロボットの不整地歩行を実現する手法および斜面歩行を実現する脚機構について検討した.対象とした歩行ロボットは,千葉大学で開発された実用レベルのCOMET-IIIとした.これまでの研究で,姿勢制御手法としてスカイフックサスペンションコントロール(SHSC)において仮想脚を設定し,6足歩行ロボットに適用する拡張SHSC(ESHSC)と最適制御理論を用いた手法の有効性は,3Dシミュレーションにより確認されていたので,実機での有効性を検証した.実験では,ESHSCによる姿勢制御の実現を試みたが,実機における油圧駆動系のむだ時間が問題となり所望の制御性能を達成することができなかった.現在,油圧駆動系のむだ時間を考慮した制御系について検討中である.次に,地雷探知ロボットが活躍する場をアフガニスタンと想定した場合,現地では斜面にも地雷が埋設していることから,歩行ロボットが斜面での歩行を実現する場合の問題点について検討した.問題点としては,現ロボットの脚機構では,胴体が斜面と平行になった場合,脚が斜面と垂直にしかならず,胴体の重心位置が支持脚が作る支持多角形から歩行パターンによっては,出てしまい転倒してしまうことが明らかになった.そこで,3Dモデルにおいて胴体が斜面と平行になった場合に脚が鉛直方向に可動できる自由度を設け,斜面歩行した場合の安定性について,3Dシミュレーションにより検討した.その結果,脚自由度を設けると平地で歩行した場合と同等の結果となることを確認した.
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