研究概要 |
(1)現地調査(3月,5月,7月,8月の計4回実施) 2002年4月に林野火災の発生した岐阜市権現山の現地調査を実施した.調査では,単位クオドラードを10m四方としたときの樹冠投影図,LAI(LAI2000法による),地形断面,表層の支持力等を求めた.支持力の測定についてはCASPOL(購入備品)を用いた.並行してCASPOLから根系(斜面安定の支配要素)を推定する方法についても検討した. (2)衛星データの解析 現地調査時期に合わせて光学センサー画像(ETM+他)を購入する予定であったが,ETM+のセンサーの具合が悪く,このため,JSI(日本スペースイメージング)と共同研究契約を締結し,IKONOSの利用を検討することになった.JSIから提供を受けたIKONOS画像は2シーン(被災前の画像).被災後の画像については撮影が完了次第提供される段取りとなっている. (3)被災レベルの(初期)設定と分類処理 被災の程度に応じた段階的なハザードマップ構築に必要な被災レベルを定めた.具体的には,林学の分野における定義(地表火,樹幹火,樹冠火等)と整合性が取れるかたちとした.このレベルに従って,ISODATA, NDVI等に基づく被災図を作成した. (4)LAI-NDVI関係式の構築 現地調査結果を基にLAI-NDVI関係についてまとめた.LAI-NDVI関係は樹種に依存することがこれまでの成果で示されていることから,樹種分類方法についても検討した. 以上の結果,樹幹火までは衛星から把握できることが確認された.また,樹種判別が実施された対象については,NDVIから樹冠の状態を推定でき,樹冠情報を用いて再生過程を監視することが可能であることを示した.
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