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2004 年度 実績報告書

地震後の降雨による山腹斜面崩壊発生危険度評価に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15710138
研究機関神戸大学

研究代表者

鳥居 宣之  神戸大学, 都市安全研究センター, 助手 (70294246)

キーワード地震後の降雨 / 震動 / 山腹斜面崩壊 / 繰返し三軸試験 / 個別要素法 / せん断強度
研究概要

本研究では,地震後の降雨による山腹斜面崩壊による被害の軽減を図るための危険度評価手法を提案することを目的としている。本年度得られた成果を以下に示す。
1.昨年度に引き続いて,振動が土の強度特性にどのような影響を及ぼすのか,また,振動を与えた土と与えない土で飽和度上昇に伴う強度低下に違いが見られるのかを実験的に調べた。具体的には,地震動に伴い発生したせん断ひずみにより,土の骨格構造が破壊するか否かを調べるため,不撹乱マサ土を模した石膏混じりマサ土供試体を対象に,繰返し三軸試験機を用いて実験を行った.石膏により粒子間に構造を持った供試体のせん断強度は,繰返し荷重を与えることで17%低下した.また,繰返し荷重を与えない条件で浸水(飽和)させることにより,せん断強度は34%低下した.一方,繰返し荷重載荷後,浸水(飽和)させるとせん断強度は44%低下するという結果が得られた.以上のことから,地震動のようなせん断ひずみであっても,せん断強度低下を引き起こし,その後の降雨により,さらにせん断強度が低下することが分かった.
2.土の骨格構造が「ボンド」という粒子間に働く粘着力によって発生すると考え,接触粒子間に発生させたボンドが振動によってどのように変化してくるのかを2次元個別要素法(DEM)による一面せん断試験によって追跡した.その結果,繰返しせん断を与えた結果,定圧条件では繰返しせん断中に体積圧縮が起こること,定体積条件では繰返しせん断中にボンドが切断されるとピーク強度に低下が見られることを判明した.
3.降雨を起因とする斜面崩壊発生位置の予知・予測手法に,地震動による土のせん断強度特性に及ぼす影響を考慮に入れることにより,地震後の降雨による斜面崩壊発生危険度評価手法の提案を行った.本手法を崩壊が発生した場所と発生しなかった場所に適用することにより,本手法の妥当性の検証を行った.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] 繰返し荷重が土の強度特性に及ぼす影響に関する実験的検討(その2)2005

    • 著者名/発表者名
      鳥居 宣之
    • 雑誌名

      神戸大学都市安全研究センター研究報告 9(未定)

  • [雑誌論文] 地震後の降雨による斜面崩壊危険評価手法に関する基礎的研究2005

    • 著者名/発表者名
      鳥居 宣之
    • 雑誌名

      神戸大学都市安全研究センター研究報告 9(未定)

  • [雑誌論文] 表土層内の飽和度変化を考慮した地下水位算定モデル2005

    • 著者名/発表者名
      沖村 孝
    • 雑誌名

      神戸大学都市安全研究センター研究報告 9(未定)

  • [雑誌論文] 地震動が土の強度特性に及ぼす影響に関する個別要素法を用いた検討2004

    • 著者名/発表者名
      沖村 孝
    • 雑誌名

      建設工学研究所論文報告集 46

      ページ: 245-252

  • [雑誌論文] 表土層内の飽和度変化を考慮した集水モデルによる実測地下水位の再現性2004

    • 著者名/発表者名
      沖村 孝
    • 雑誌名

      平成16年度砂防学会研究発表会概要集

      ページ: 196-197

  • [雑誌論文] 地震動が土のせん断強度に及ぼす影響について2004

    • 著者名/発表者名
      鳥居 宣之
    • 雑誌名

      平成16年度砂防学会研究発表会概要集

      ページ: 228-229

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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