これまでに開発してきた不連続格子を用いたFDMを、PCクラスター上で並列計算を行うことができるように拡張する。従来は、スーパーコンピュータや比較的規模の大きなワークステーション(EWS)等で計算を行うことが多かったが、実務や研究で導入できる8台から16台程度のPCを接続した小〜中規模のPCクラスターにより、十分な計算性能が発揮することができることを目標として、シミュレーション手法・プログラムを改良する。 研究は、テストプログラムと作成と、汎用プログラム作成の二つのフェーズに分けて行う。平成15年度は、前者のフェーズとして、PCクラスター上でのFDMシミュレーションプログラムの基本的性能や問題点の洗い出しを行い、計算に用いるCPUの数と計算時間の関係を評価し、プログラムのスケーラビリティーを検証した。 不連続格子による有限差分法のプログラムの並列化を行い、16台(各2CPU)のPCから成るPCクラスターにより基本的性能や問題点の洗い出しを行い、計算に用いるCPUの数と計算時間の関係を評価した。16台のPCで各1CPUを用いて計算を行った場合、約14.7倍の計算速度が得られ、約92%の効率で並列化が図られており高いスケーラビリティーを示した。ただし、各2CPUを用いた場合には、約76%(32CPUで約64%)と、多少効率が悪くなることが分かったが、これはメモリアクセスの帯域が限られているためであると考えられる。
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