研究概要 |
本申請研究は、棘皮動物ナマコ類の生物活性ガングリオシド成分を、神経疾患の治療・改善薬素材として開発することを目指して,活性アナログ体を開発することを目的として行う。 具体的には、1)ナマコ類から神経突起伸展作用を示すガングリオシドを分離し、化学構造を明らかにする。 2)得られた神経突起伸展性ガングリオシド成分の構造活性相関について検討を行う。 3)構造活性相関に関する知見を基に、天然由来のガングリオシドから種々の変換体を調製する。 4)各変換体の神経突起伸展作用を調べ、活性発現に必須な構造単位を明らかにする。 明らかになった活性発現単位を基に、アナログ体を合成し、続いて、医薬素材のリード化合物としての可能性を明らかにする。 事を企図して行う。今年度は、以下の手順で研究を推進し、研究成果を得た。 1.ナマコ類から神経突起伸展性ガングリオシド成分の分離 マナマコ、シカクナマコから、合計4種の神経突起伸展作用を示すガングリアシド成分を分離し、その構造をあきらかにした。 2.神経突起伸展作用の解明 今回得られた成分をはじめとして、ナマコ類のガングリオシド成分のPC12細胞に対する神経突起伸展作用の検討を行い、殆どのガングリオシドが突起の伸展作用を示すことを見出した。 3.構造活性相関の解明 ナマコ由来のガングリオシド成分の神経突起伸展作用に対する構造活性相関について検討を行った結果、糖鎖構造中のシアル酸の有無と結合位置、セラミド構造が重要であることが明らかになった。
|