3年計画の二年目である平成16年度に達成した成果は、1.収集済み地図資料分析、2.現地調査、の2項目に分類できる。 1.資料分析 本研究では、紙媒体の地図・航空写真・衛星画像といった多面的な地図資料を統一的に扱うアプローチを取っている。そのような解析に必要なコンピュータ周辺機器、分析方法に関する書籍、資料などを購入し、分析環境の整備をすすめた。さらに、実際に収集した現地での測量データをコンピュータ上にプロットし、土地利用図等との対応関係の分析をすすめた。そのために、既存資料の電子化を外注し、謝金アルバイトを動員して多量のデータ解析をすすめた。この解析は現在も進行中であるが、村を中心として同心円状に分布する人々の活動配分と森林の分布、そこに生息する動物の活動との関係の概要が掴めてきた。過密人口密度下における人と野生動物の平和的共存のモデルとなり得るような、伝統的村落が形成してきた森林分布の巧みな配置に関する興味深い結果が得られつつあるという核心を持つことができた。 2.現地調査 平成16年12月から1月にかけて、ギニア共和国森林地域において広域の現地調査を行った。昨年度行った焦点研究地であるボッソウ村と同様の計測を、GPS機器を用い、村落周辺の土地利用図や森林植生図の作成のために必要な地理的計測を複数箇所で行った。関心の焦点である村落と森林との地理的配置について、重要な地理的データを得ることができた。この計測資料の解析は、最終年度である17年度に集中的に行う予定である。
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